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これは、「論理的な思考力・考える力に基づく表現力・読解力」(PISA型読解力)の育成のため、本校独自に設定した5領域のうちの一つ「言語と国際性」に科目「言語技術」を設け、そこで欧米の国語に当たる「Language Arts」をモデルとする三森ゆりか氏(つくば言語技術教育研究所所長)の教育理論と実践を取り入れた授業を行うと同時に、その技術を援用した「国語」の授業、「英語」の授業研究を行うものです。
昨年Fステージ3年生と、Sステージ7年生に週1時間先駆的に取り入れた言語技術ですが、その効果が実際に見えてきたところで、今年から全学年(9年は「国語」の中で)で週1時間の授業としています。

各学年で取り組んでいる問答ゲーム。1年生も基本型の「わたしは○○がすきです。なぜなら、○○は△△だからです。」を覚えて、楽しんで取り組んでいます。教師の「問答ゲームをやりたい人〜!」のよびかけに全員が元気に「は〜い!」と答えます。
問答ゲームを学習した子どもたちは国語や算数の授業でも、自分の意見を発表するときに、結論を最初に述べて、理由をつけるといった言い方ができるようになります。また理由を言うときに、ナンバリング(一つ目は〜で、二つ目は〜)をする子どももいます。 言語技術科で学習したことが他の教科でも生かせること、このことがとても大事だと思います。
教科の学習だけはでなく、日常の生活の中で問答ゲームの話型ができる子どもたちに育てていきたいと思っています。

F1年生
この日のゲームのテーマは「生きもの」。 「あなたはうさぎが好きですか。」 「わたしはうさぎが好きです。なぜなら、うさぎはふわふわしてかわいいからです。」
入学してからすぐに「問答ゲーム」に出会った1年生。はじめは教師と、なれてきたあとは友達同士で問答ゲームに取り組んでいます。
教師が読む物語を聞いて、再び話として書く「再話」。3年生から取り組んでいます。最後まで書ききると爽快な気持ちを味わえるようで、再話をすることが好きだという声も聞こえます。自分の作品を添削するのも勉強の一つです。「聞く力」「書く力」を育みます。
「ん〜むずかしい。」思わずそんな声が聞こえてきそうな様子の5年生。再話後に添削の学習をしています。普段はにぎやかな子どもたちもこのときばかりは集中し、もくもくと学習しています。小学生のうちに、自分の作品を自分で見直す力を身に付ける子どもたち。将来必要となる技術を子どものうちから繰り返し、学習していきます。

F5年生

言語技術の時間では、文章の分析の前に絵の分析をしています。絵の分析をすることで、対象をよく観察し、そこからさまざまな情報を受け取り、再発信する力をつけます。
1枚の絵を提示し、場所は?季節は?天気は?・・・と聞いていきます。そうすると、生徒は読み取った情報を、「結論━理由」という話型を踏まえて答えてくれます。
一通りの分析が終わったら、今度はその分析した結果を小論文としてまとめています。この段階になると何を書いていいか分からないという生徒はいません。集中して原稿用紙に向かい、自分の分析結果をかなり早いスピードで書き上げていきます。
生徒は「1枚の絵からこんなにいろいろなことが分かるとは思わなかった。」「自分の意見が自由に発表できておもしろい。」など、とても好評です。

S7年生
「この場所はどこですか?」 「私はデパートだと思います。理由は2つあります。1つ目は洋服や靴、バッグが売られているからです。2つ目は9階もある高いビルだからです。」
生徒は自分の意見を理由とともに述べます。ここには問答ゲームの型が生きています。学習が進むごとに、前に習った学習の必要性がはっきりわかるのです。
5・6年生で言語技術を始めて、最初は問答ゲームに取り組みました。みんな、日を追って答え方が上手になり、それを応用して他教科の授業での答え方にも生かせるようになってきました。 また、文章を書く練習もしました。改めて自分の書いた文章を見直し、主語が抜けていないか、文書がおかしくないか、訂正することができるようになりました。 夏休み前最後に取り組んだ再話では、みんな集中して取り組むことができました。「作文が嫌い。」と言っていた子が、再話の後に「原稿用紙にこんなにすらすら文章が書けることがうれしい。」と言っていたことがとても印象的でした。 5・6年生のみなさん、これからも頑張っていきましょう!!
5、6年 担当 奥山 祥彦
S7年生、T8年生も言語技術を学び始めました。そして、私も言語技術教室で本格的に指導するのは初めてです。つまり、生徒も私も言語技術1年目。問答ゲームが始まって、再話、絵の分析を終えたところです。
言語技術は技術を学びますから、「型」があります。しかし、だからといってみんな型どおりかというとそうでもないのです。それは、ちょうど武道や茶道、書道といった日本文化に通じたところがあるかもしれません。「型」を磨きながら、「型」にはまりきらない個性が光るのです。言葉の使い方の「型」を手に入れたことで、かえって自分の表現が生き生きとしてくるのは、私も生徒と同じく感じているところです。
言語技術は欧米式の言葉の学習方法ですが、「言葉道」と言えるかもしれません。 言葉が変われば思考も変わります。論理的、かつ情緒を耕すような言語技術によって導かれる豊かな表現に期待しています。
S7年・T8年 担当 遠藤いづみ