校長よりご挨拶

校長よりご挨拶

持続可能な開発を目指す21世紀の教育

聖ウルスラ学院英智小・中学校
聖ウルスラ学院英智高等学校
校 長 伊藤 宣子

パラダイムの転換 聖ウルスラ学院英智の教育の中で学ぶ未来の担い手たちへ

 教育は「人格の完成を目指す」という普遍的な目的を持つ一方で、時代によって、その強調点は大きく変化してきました。グローバル社会に生きる人としての育成を求められる現代まで、教育に期待される内容も時代によって多様です。21世紀に生きる私たちは、教育を通じて、どのような人を育て、どのような人に育ち、どのような社会を目指したいのでしょうか。

 学校法人聖ウルスラ学院は、創立の歴史487年目の今日まで建学の理念は揺らぐことなく「キリスト教的人間観に基づく人格形成の教育」を歩み続けております。「神の愛」そして、極めて良いものとして創造された人間「命の尊厳性」を土台とした教育は、人間の生きる使命をも明らかにし、どんな困難な時代にあっても「希望と平和の種を蒔き育てることのできる人」を育む「力のつく元気な学校」を掲げ教育活動を実践して参ります。

 持続可能な開発を続ける未来は、誰にも予測できない社会かもしれません。今現在も、情報やCommunication、科学・技術の発展は、社会の機能や、国際文化交流に大きな変化をもたらしています。10年後20年後、お子様たちが社会の大黒柱・屋台骨になっている頃には、今とは全く違う社会になっていることでしょう。そのとき、未知のスキルやツールを使い、今の常識を分析し、それをどのように活かし又変革させていくべきかを思考し解決する必要に迫られることでしょう。

 変革の時代に生き、「希望と平和の種を蒔き、育てられる人」になるためには、「学び方」を学ぶだけではなく、人間が本来持っている好奇心や創造から沸き出でるような様々な状況に対峙する能力を錬磨し続けることが肝要なのです。どんな未来が待ち受けていようとも、様々な対応を可能にする柔軟な思考力、想定外といわれる状況であったとしても現象を解読する分析力、そして深め合い・高め合い協働しながら物事に対峙する表現力と行動力を、子どもたちの成長と発達状況に応じた教育活動の中で切磋琢磨して行かなければならないのです。

 人間はもっともっと賢いはずです。もっと賢くなれる自分に自信を持たせましょう。主体的に能動的に・自ら学ぶという学びの権限を持った学習者である子どもたちは、学習に対する愛・感動・エネルギーを効果的に使い、モチベーションを高めていくことでしょう。様々な変化に立ち向かい、「人生の志」を実現する「挑戦力」を持つ人としての「人間力を涵養」する教育を、教育成果として求め続けていこうではありませんか。