校長よりご挨拶


校長よりご挨拶

聖ウルスラ学院英智の不易と流行の教育

聖ウルスラ学院英智高等学校
校 長 伊藤 宣子

 聖ウルスラ学院英智は、世界の教育の歴史において、創立者聖アンジェラ・メリチの教育理念を487年間生き生きと展開し、そして今、世界71か国で現存する学校の一つです。「キリスト教的人間観に基づく人格形成」を教育の目的として掲げ、一人ひとりを「かけがえのない尊厳な命」とし、「平和の種をまき育てる使命 Mission に生きるために、各自が持つ可能性を最大限に発揮すべく、共に学び合う教育」を理想として掲げます。

 子どもたち一人ひとりが、自分の可能性を見出し、逞しく力強い知性と豊かで深い感性を磨きあげ、人として、未来に向けて力強く成長して行くようにと願って、様々な本校独自の教育課程を新学習指導要領の中に練りこみ、教育活動を行っています。

 他者に開かれた心を持ち、苦しむ人に共感できる人として、よりよい世界の創り手となる底力を育成する教育活動を目指しています。そのために、子どもたちとともに教職員一同が、其々にそしてチーム力として練り上げ磨き上げながら教育を実践しています。

 幼稚園児3歳から成人となる高校3年生18歳までの15年間の一貫教育を芯として、折々に迎える仲間たちとの合流は、世界観を広げ、異なる生活文化圏を練りこみながら、切磋琢磨の成長へと繋がります。そしてその成長が人間力の涵養へと促されていく、更に大きな教育のダイナミズムを実現しています。

 聖ウルスラ学院英智の学校教育は、キリスト教ミッションスクールとして「聖書のみことば」を大切に展開されております。近年の情報化社会の発展はますます対話を大切にした「知性の育成」が求められていると感じています。物事についての抽象的・概念的・総合的認識の出来る精神的能力である知性は、「ことば」を大切にした読解力、表現力、分析力、論理力等の育成によって育まれるものです。人類600万年の歴史は、「考え抜き・一歩前に進み・協働する生命としての人間力」であったと確信できます。

 教科教育を通して、真理を探求する資質と能力としての基礎学力を習得し価値観の育成を目指すこと、更には世界標準母語教育(ランゲージアーツ)・複言語教育・プログラミング言語教育をも展開することが、今欠かすことのできない教育の姿と言えるのではないでしょうか。そして、ツールとしての情報処理能力と情報活用能力が欠かせない社会であることも忘れてはなりません。

 だからこそ、487年の歴史の中に息づく不易なる建学の精神のもとで、今と未来を見据えた教育に「Mission・Vision・Passion」を掲げて前進するエネルギッシュな喜びの教育を、今後も、子ども達と教職員と親御様たちと共に創ってまいります。